前回は、Oculus-Unity連携時のパフォーマンス改善について御紹介しました。
今回から、数回に分けてOculus Riftで3D動画を観る方法について御紹介します。
まず初めに、Oculus Rift(以下、Oculusとします)の簡単な構造から説明いたします。
Oculus本体は大きく分けて以下の3つの部品から構成されています。
1.トラッキングセンサー
2.ディスプレイ
3.魚眼レンズ
1のトラッキングセンサーというのは、人の動きや何らかの挙動を監視するためのもので、Oculusの場合は頭の動きを監視する役目を持っています。
カメラを装着した人が、頭を動かすとトラッキングセンサがその動きを感知して、カメラの視点を自動的に切り替えて(※1)くれます。
3の魚眼レンズは左右に1つずつ付いており、それぞれ右目用・左目用となっております。
これらのレンズを通し、ディスプレイに映るものを見ることで私たちはOculusが生み出すVRの世界を楽しむことができます。
※1.視聴している物(動画ファイルや、ゲーム映像等)がカメラでの視点切り替えに対応している必要があります。
冒頭で3D動画と書きましたが、3D動画にもいくつかのファイル形式があり、Oculusがサポートしているのは「サイドバイサイド」方式というものです。
「サイドバイサイド」方式というのは、画面を左右2つに分割し、同じ画を同タイミングで表示および再生するように作成された動画ファイルのことを言います。
「サイドバイサイド」方式の映像がOculusのディスプレイに映し出されると、私たちは用意された2つの魚眼レンズを通して、左目・右目それぞれで同じ画を観ることになります。
この時できる視差によって脳が錯覚を起こし、2Dである映像が奥行きのある立体(3D)映像のように映ります。
これを「立体視」や「平行法」と言います。興味のある方は是非調べてみてください。
これまでご説明した内容が、Oculusで3D動画を見るための基礎知識となります。
Oculus自体が、3D動画に対応した構造となっておりますので、「サイドバイサイド」方式の動画ファイルを用意することができれば、手軽に3D動画を楽しむことが可能です。
動画ファイルは、公開されているものをダウンロードしたり、動画編集ソフトを使用して2D動画ファイルを3D動画ファイルに変換することで安易に入手することができます。
また、youtubeが3D動画に対応しているため、アップロードされている動画をフルスクリーンで再生といった方法も可能です。
3D対応していない動画を横に並べて表示し、サイドバイサイド形式のような見え方にするサイトもあります。
観るものが決まったら、次にOculusで動画を視聴する方法です。
これまでのOculus PC Runtime(以下、Runtime)では、2つのディスプレイモードがありました。
グラフィックボードが付いていないPCでも”Extend Mode(拡張モード)”を使用すれば、Oculusを外部ディスプレイとして扱え、フルスクリーンで表示した対象の3D動画をOculusのディスプレイで視聴するだけで、簡単に3D動画を体験することが出来ました。
しかし、最新のRuntimeでは、”Extend Mode(拡張モード)”が廃止になってしまいました。
その為、Oculusが指定しているDisplay Driverに対応したグラフィックボードを付けたPCでなければ、Oculusのディスプレイにものを表示すること自体出来なくなってしまいました。
今回は、Extend Modeでの視聴を予定していたため、廃止になったのは非常に残念です。
しかし、Oculusのconfiguration Utilityにあるデモアプリケーションは正常に起動し、動作させることが出来ました。
Oculusに対応した”アプリケーション”という形であれば、グラフィックボードの付いていないPCでも、Oculusを使用して3D動画を楽しめる可能性が有るかもしれません。
例えば、Android/iOSに用意されているWebviewのようなものを、アプリケーションに組み込めば、先ほどご紹介したサイトを表示させることで、Oculusで3D動画を視聴する事が出来ます。
オンボードPCで使用できない理由が、Runtime/Sdkの更新により負荷が上がったためか、ハードウェア的な制限なのかはわかりませんが、アプリケーションとして作ることで低スペックPCでも動かせる可能性がある以上、オンボードPCでのOculus使用方法を調査していきたいと思います。
以上で、Oculusで3D動画を観る方法の1回目は終了です。
Oculusの構造と、サポートしている3D動画の簡単な説明をさせていただきました。
次回からは、Oculusに対応した3D動画再生アプリケーションの作成方法を、ご紹介していきたいと思います。
最後までご覧いただき有難うございました。
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