今回は、BaaSの1つである「Parse.com」をご紹介します。
その前に、そもそもBaaSってなんでしょうか?
BaaSとは、アプリケーションのバックエンドサーバ(※)側機能を
肩代わりするクラウドサービスの総称で、「Backend as a Service」の略称です。
アプリケーションのバックエンドサーバ側に必要な機能が予め実装されており、
それらの機能を使用するためのAPIが提供されています。
アプリケーション側は、そのAPIを呼び出すことで容易にバックエンドサーバ側の
機能を使用できるというサービスです。
※「バックエンドサーバ」とは、「DBサーバや、Webアプリケーションサーバ」のことを指します。
アプリケーション側でのAPI呼び出し方法は、Platform毎に独自のSDKが提供されていますので、
プロジェクトにSDKを組み込むことで簡単に使用することができます。
■BaaSが提供する機能
- アカウント管理機能
- データストレージ機能
- プッシュ通知機能
- Analytics機能
- SNS連携機能
- ロケーション機能
アプリケーションのユーザ登録やログインを簡単に実装することができ、ユーザ管理を行うことができる
ユーザ情報(Object Storage)や、写真等(File Storage)のバイナリファイルを保存することができる
ユーザのデバイスに通知を送ることができる
APIコール数、Push通知等のアプリ運用に必要な数値をグラフで確認することができる
FaceBookや、twitterと連携することができる
GPSを活用した、位置情報サービスと連携することができる
■BaaSを利用するメリット
- BaaSが提供する機能を使用することで容易に実装できるため、開発工数やコストの削減を行える
- バックエンドサーバ側の開発、ハードウェア選定を行う必要がないため、アプリケーション開発に集中できる
- Webサーバ、DBサーバ、負荷分散装置等の機材を購入する必要がない
- サーバ運用に必要な人員コストを圧縮することができる
■BaaSを利用するデメリット
- バックエンドサーバが不定期で落ちることがある
- アプリ固有のサーバサイド機能が存在する場合は実装する必要がある
■BaaSを利用したアプリケーション例
- 写真の共有ができるアプリケーション
- FaceBookやtwitterと連携するアプリケーション
- リアルタイムで行うチャットアプリケーション
では、BaaSのことが分かったところで、Parse.comについて説明します。
前述のとおり、Parse.comはBaaSの1つです。
Platform毎にSDKが用意されているので、Parse.comに登録するとSDKをダウンロードすることができます。
現在、Parse.comで利用できるPlatformは下記となります。
- Android
- iOS/OS X
- Windows
- Windows Phone
- Unity
- JavaScript
登録するプランによって月額の費用が発生します。
プランについては、下記の表を参照してください。
プラン名 | 料金 | 制限事項 |
---|---|---|
Basic | 無料 | 1ヶ月あたりAPIリクエスト呼び出しが100万回まで |
1ヶ月あたりプッシュ通知回数が100万回まで | ||
ファイルストレージ1Gまで | ||
Pro | $199/月 | 1ヶ月あたりAPIリクエスト呼び出しが1500万回まで |
1ヶ月あたりプッシュ通知回数が500万回まで | ||
ファイルストレージ10Gまで | ||
Enterprise | 別途見積り | 特になし |
1ヶ月のAPIリクエスト呼び出し回数、プッシュ通知回数、ファイルストレージ容量によって、
費用が発生するので、作成するアプリケーションに見合ったプランを選んでください。
それでは、Parse.comの料金体系がわかったところで、今回は終了となります。
今回は、おもにBaaSについてご説明しましたが、次回以降は、
Parse.comについていろいろご紹介します。
<次回以降の更新について>
次回は、「Parse.comの登録方法」についてご紹介します。